【完結編】初心者だけどプラモデルづくりに挑戦するよ!ーその5

目次
1.いよいよゼロ戦色の塗装!
2.運命を分かつ黄色の識別帯
3.銀色のエンジン
4.クリアパーツは失敗できない!
5.デカールを貼ろう!
6.長谷川マスターのスゴ技と小技
7.ということで、完成!
こんにちは!
プラモデル初心者がプロモデラーに教わりながら、
はじめてのプラモデル制作に挑戦する企画!
挑戦者の石井七歩が、タミヤプラモデルファクトリートレッサ横浜店からお送りいたします!
今回も引き続きプロモデラーの
長谷川マスターこと、長谷川伸二さんにご指導いただきます!
長谷川伸二マスターは、
タミヤプラモデルファクトリー トレッサ横浜店内にあるアトリエゾーンにて、
さまざまな講座を開催されています。→各種講座
プラモデル制作に行き詰っているそこのアナタは、
タミヤプラモデルファクトリートレッサ横浜店のアトリエゾーンで、
どんどん長谷川マスターに相談しましょう!
さて
今回も引き続き制作するのは…….、
TAMIYA
ゼロ戦1/48 傑作機シリーズ No.27
日本海軍零式艦上戦闘機52丙型 (A6M5c)
前回の記事では、
空色に溶け込む機体下部の明灰白色を塗り終わりました。
今回は完成までのラストスパート!
お楽しみに。
1.いよいよゼロ戦色の塗装!
さて。
前回までの作業で、
機体下部の明灰白色の塗りと、念入りなマスキングができました!
ゼロ戦を横から見ると、
濃い緑色と明灰白色との境界は曲線になっているので、
その曲線をうまく出せるか?というのが機体塗装のポイントになります。
ここにゼロ戦のボディ色である、
暗緑色を塗装してゆきますよ!(写真左)
塗装のコツは、
対象から15cm~20cmはなしてゆっくり塗ること。
そして一気に仕上げようとせず、何度も塗り重ねること!
↑一度塗り……。
↑3度塗り目くらい……。
↑そして長谷川マスターからOKをいただいた、5度塗り目くらい!
左右の尾翼も塗装。ためしに本体にくっつけて色差がないか確認!
↑ついでにエンジンのカバーもブラックで塗装。
細かい部品は竹串にぺったんテープをつけて、やきとり状にして塗装すると手が汚れない。
色はこんな感じにできました。
暗緑色、綺麗です。
…………そういえばね、
私は4人乗りのセスナで伊豆諸島に飛んで行ったことがあるのだけれど、
この暗緑色は、上空から見下した東京湾の色に似ていると思いました。
知人がセスナ機を所有していて、
興味本位で私も乗せてもらった。
埼玉県桶川市のホンダエアポートから
東京上空を通過する。
無機質な灰色の街と、ところどころに固まる、どす黒い緑。
雑然としていて、あまり綺麗だとは言えない景色だった。
海に出る。
灰色だった眼下が、濃紺のような、濃緑のような、
重い重い色に変わる。
距離感がつかめなくなる。
空と海が繋がって、天と地がわからない。
重い色。でも綺麗だった。
ぐらぐら揺れて怖かった。
そしてなぜか、強制的に眠気が襲ってきた。
こんな景色をゼロ戦に乗って、たった独りで飛ぶのって、どんな気分だろう…………。
そんなことを考えながら、
マスキングを剥がしていきます。
どうでしょう?
わりと綺麗にできた気がします!
こんな感じで、
暗緑色の塗装は終了!
2.運命を分かつ黄色の識別帯
さて。
見本の写真を見ると、
機体前方に黄色い線が塗られていることがおわかりいただけると思います。
これは一体何のために塗られているのかと言いますと…、
ゼロ戦は、
上空から見ても、横から見ても、地面から見上げても、
日本のシンボルマークである日の丸が見えるようになっているので、
日本軍にとっては、敵機ではなく味方機だということがわかるようになっています。
しかし、
向こうからこちらに飛んでくる機体が、
果たして敵機なのか味方機なのか、わかりにくい。
一瞬の判断が命運を分かちます。
ということで、
昭和17年4月のドゥーリトル空襲を機に、
日本陸海軍で味方識別についての協議を行った上で、
昭和17年10月から実施されたのが、この黄色い帯の塗装なのだそうです。
私がぼーっとしている一瞬のうちに、
気づくと長谷川マスターが識別帯のマスキングを完成させて、
サーフェイサーまで吹いて準備してくださいました……。
素早すぎて全然気がつかなかった。
暗緑色部分に飛ばないように、
気を遣って黄色を塗装してゆきます。
できました!
これで敵機と味方機の識別がつきますね!
3.銀色のエンジン
ゼロ戦は、
星型エンジンという種類のエンジンを積んでいました。
その名も「栄(さかえ)」。
栄は、
第二次世界大戦期に中島飛行機が開発・製造した、
空冷星型航空機用レシプロエンジン。
零式艦上戦闘機・一式戦闘機「隼」のエンジンとして有名であり、
合計33,233台も製造されたそうです。
↑大和ミュージアム所蔵の栄三一型甲(製造番号 31707)。
零戦六二型とともに展示されている。(写真はWikipedia:栄(エンジン)の項目より引用)
この燻銀色を表現できるように、
ガサガサした筆に銀色の塗料をつけて塗っていきます。
↑ティッシュで余分な塗料を落として、叩くように色をつける。
べったりつけると味が無くなってしまうので気をつけて。
↑垂直に叩きつける感じ。
↑土台もつけるとこんな感じ!
↑機体に取り付ける。
これでエンジンも完成。
全体的にリアリティが増してきました。
着々と完成に向けてラストスパートしている感覚が、楽しい!
4.クリアパーツは失敗できない!
さて!
機体の塗装も終わり、
識別帯も塗り、エンジンも取り付け、
だいぶ完成に近づいてきました!
ここまでの長谷川マスターの口癖は
「万が一、塗料がはみ出してしまっても、失敗だと思う必要はないよ。」
「何回でもやり直せば良いだけのことなんだから。」
という、非常に懐の広いお言葉でしたが…。
ここに来て突然、
「クリアパーツは失敗すると修正が効かないからね。」
「接着剤がくっついたりするとパーツが曇って最悪だから、ぜったいはみ出さないでね。」
という、超コワい台詞に変化…。
みなさん良いですか。クリアパーツは絶対に失敗しちゃだめだぞ!!!
最も慎重に作業しましょう!
↑カットしたクリアパーツをヤスリがけします。
うっかりキズがついたら修正効かないから、ぜったい押すなよ!
↑長谷川マスターがつくってくださったマスキング。まずは横線だけ塗装。
↑塗装するとこんな感じ。
ちいさすぎてピントが合わない…。
↑光に透かして、ちゃんと塗れているかどうかをチェック!こわい。
↑横線の塗装をドライヤーで乾かして、縦線もマスキング。
↑で、できた…。ちょっとはみだした…。
どうでしょう?この出来、何点ですか?
60点くらいはもらえますか…?
5.デカールを貼ろう!
さて!
ゼロ戦の全景が見えたので、
ここでデカールを貼って、一気に仕上げていきまよ!
↑まずは貼りたいデカールの周囲を丁寧に切り抜きます。
↑容器に水を張って、切り抜いたデカールを漬けて30秒ほど待つ…。
いっぺんにやっちゃだめですよ!貼る分だけ、ひとつずつ確実に…。
↑水から揚げて放置。
しばらくすると台紙からデカールが浮いてきて、指でずらせるようになる。
↑説明書を見ながら位置調整。ここだと思ったら、ティッシュで水分を吸収しながら押さえます。
くっついてしまった時は、少し水に濡らすとまた位置調節できます。
破れやすいシーンなので慎重に!
↑日の丸、いっぱい貼ったよ…。
↑上面 ↓下面
↑日の丸をすべて貼り終わってこんな感じ!
↑すっごく小さいデカール…。読めないほど小さな文字が書いてある。
さて。
これですべてのデカールを貼り終えました!
サイズを感じていただきたいので、
一円玉と一緒の写真をご確認ください。
ねっ。
ちいさいでしょ!
ピンセットを使って慎重な作業でした。
うむ。
ゼロ戦、ついに完成ではないでしょうか!
楽しかった!でも疲れた…!
6.長谷川マスターのスゴ技と小技
「これで完成ですよね!!!」
「…ちょっと待って下さい!」
私がデカールを貼っているとなりで、
ごそごそと何かを作業していらした長谷川マスターから制止がかかりました。
「…ふぅ。10分間でこのパイロット人形を塗装しておきました。」
「ちっさ!!!」
「飛行機にはパイロットが必要ですからね。」
めちゃめちゃちいさいですよ、この人形。
しかもたったの10分間でこのクオリティ。
素人の私にもスゴ技だということがわかります。
「…それから、送電線もつけましょう。」
「…糸でもいいのですが太すぎるので、余ったランナーをライターで炙って…」
「伸びた!!!」
「…これで髪の毛ほどの細い線がつくれますよ。」
「おお…」
…ということで、
最後に長谷川マスターがスゴ技と小技を披露してくださいました。
きっともっと沢山の裏技を持っていらっしゃるのだと思いますが、
それを理解するにはもっと高いレベルに到達しなくては…。
これからもどんな技を見せていただけるのか、楽しみですね!
7.ということで、完成!
さて。
さて。さて。
全5回でおおくりしました、
「初心者だけどプラモデルづくりに挑戦するよ!」シリーズ第一弾
TAMIYAゼロ戦1/48 傑作機シリーズ No.27
日本海軍零式艦上戦闘機52丙型 (A6M5c)
ついに完成の時がやってまいりました!!
それではまず、
完成の写真を見てください!!!
いかがでしょうか!
長谷川マスターに助けていただいた場面も多くありましたが、
はじめてのプラモデルづくり、私は結構いい出来になったのではないかと思います!
そしてこちらが、
私の感想です…!
無機質だったプラスチックが、
どんどんリアリティを帯びて、
物語を持つ飛行機になってゆくのが
最高に面白かった!!!
最初に箱を開けた時は、
四角いプラスチックの枠によくわからないパーツが沢山ついていて、
完成がどんな姿なのかも想像できなかったし、
ゼロ戦がどのような飛行機なのかもよく知らなくて、
それはただのプラスチックの欠片に過ぎず、私はそこに何のロマンも感じなかった。
けれど。
ゼロ戦のことを調べながら
説明書どおりに組み立て、塗装してゆくうちに、
ただのプラスチックの欠片は意味を成し、歴史を語りはじめるようになった。
自分の手のなかで、
かつて上空を飛んでいた機体が再現されてゆく姿は
得も言われぬノスタルジーと
憧れの再現のようで……。
一見ばらばらに見えていたプラスチックのパーツが、
手を加えるごとにだんだんと形を成して、何かの存在を表してゆく…。
はじめてのプラモデルづくりとはいえ、
その神髄を垣間見たように思えました。
タミヤプラモデルファクトリー トレッサ横浜店には、
気兼ねなくエアブラシを使える塗装室や、
使い勝手のいいアトリエゾーンが完備されています。
専門的な工具セットのレンタルもありますし、ワークデスクで誰にも邪魔されず、
ショップゾーンで好みのキットを選んですぐに制作に取りかかれます。
さらに長谷川伸二マスターが、
さまざまな講座を開催されていますので…→各種講座
「プラモデル、やりたい…」
「でも工具もエアブラシも持ってない…」
「自信がない…」
そんなあなたは、
ぜひタミヤプラモデルファクトリートレッサ横浜店に足をはこんでみてはいかがでしょうか?
長谷川マスター。
プラモデルの楽しさを教えてくださってありがとうございました!!!
それではまた次回の挑戦に、乞うご期待です!
第1回の記事はこちら。
第2回の記事はこちら。
第3回の記事はこちら。
第4回の記事はこちら。
ライター : 石井七歩
1991年 東京生まれ。現代美術家。
オフィシャルウェブサイト→ nahoishii.com
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石井七歩
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