2016年3月10日

【ミニチュア兵士編】偉大なる凡作、シャーマン戦車をつくるよ!(3)

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「兵は詭道なり」

かの有名な孫子の言葉である。
ここでいう兵とは戦争のこと。
詭道(きどう)とは、人を偽り欺くことを言う。

燃え盛る戦火の中で、
正攻法で戦うなどと、綺麗ごとは言っていられない。
戦いとは、敵を欺き、騙し、いかに有利に戦えるかを考えるものである。

 

「兵は神速を貴ぶ」

三国志・魏書・郭嘉伝にある言葉である。
読みは「へいはしんそくをたっとぶ」

戦いは迅速に動かすことが重要であるという教訓。
決断も行動も素早いことが成功へ繋がる。

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(孫子の兵法書。Wikipedia項目:孫子(書物)より引用)

どちらも古い教訓だ。
孫子(孫武)は紀元前500年頃の人物。
三国志は180年頃〜280年頃の興亡史。

世界中のあらゆるところで、
人類は太古から戦をくりかえし、
度重なる戦のなかから勝利の条件を探そうとした。

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(紀元前333年のイッソスの戦い。Wikipedia項目:イッソスの戦いより引用)

一般に攻撃力は、
自らの移動能力》×《敵への物理的加害力》だと考えられている。
移動能力の発揮を主眼においた戦闘は「機動戦」と称される。

そして機動の速度のみならず、
意思決定の速度においても敵に優越することで、
敵に不利な態勢を強要して主導性を獲得する戦術は「機略戦」と称される。

燃え盛る戦火と多大なる犠牲の上に、
あらゆる教訓が生まれては語り継がれてきたわけであるが、
過去が残した教訓を踏襲し、
未来の勝利を見据える人類史上に誕生した新しいアイテム……、

それが戦車なのであーる!!!

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1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.250
アメリカ M4A3 シャーマン 75mm砲搭載・後期型(前線突破)
Item No:35250 3,564円(本体価格3,300円)

……ということで!
今回も引き続きシャーマン戦車を製作してゆきますよ!!

 

 

目次

1.ミニチュア兵士の世界観!
2.兵士を組み立てよう!
3.戦車には赤色のサーフェイサーを!
4.次回予告!

 

【ここまでのあらすじ】

【基礎知識編】偉大なる凡作、シャーマン戦車をつくるよ!

【キャタピラー編】偉大なる凡作、シャーマン戦車をつくるよ!

 

1.ミニチュア兵士の世界観!

 

前回のキャタピラー編では、
シャーマン戦車のだいたいのカタチが見えてきましたが……、
【キャタピラー編】偉大なる凡作、シャーマン戦車をつくるよ!

今回は、
戦車を操縦するのに欠かせない兵士たちを組み立てていきます。

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パッケージのこの人たちですね。
今回製作するのはヨーロッパ戦線のシャーマン戦車のキットなので、
寒い地域ということで、ロングコートを着ています。

ほかにも長谷川マスターが、
TAMIYAの1/35 ミリタリーミニチュアシリーズを色々と紹介して下さりました。

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タミヤプラモデルファクトリー トレッサ横浜店で販売されているキットや…、

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カタログもあります…。

しかし、かっこいいですね!!
戦闘中のポーズもあれば、野営地で作業をしている様子など、多種多様です。

ということで閑話休題、
私が面白いと思ったミリタリーミニチュアシリーズをピックアップしてみました!

top

「ちゃんと日本人の顔をしている!」

1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.341
日本陸軍将校セット

前線で野戦会議を行う日本陸軍将校のセット。
机に地図を広げて作戦を練る高級将校2名と、
立ち姿で目標を指し示す歩兵部隊将校、双眼鏡を持つ戦車部隊将校。
将校用軍刀やホルスター、図のう、双眼鏡ケースなどの個人装備品もリアルに再現。

【 軍装について 】
日中戦争から太平洋戦争にかけて、
日本陸軍将校は昭和13年に制式化された折襟の98式軍衣を着用していました。
下士官、兵の軍装が官給品であったのに対し、将校は原則として私物で軍装を揃えて戦場に臨みました。
軍刀も同様に私物を身に付けましたが、長さや鍔の形状の違いをはじめ、
鞘を革で覆ったものや柄に布を巻いたものなど様々な外装がありました。
また拳銃も私物の装備がよく見られました。

 

 

 

top (1)

「凛々しいシェパード犬と、憲兵のファッションがかっこいい!」

1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.320
ドイツ野戦憲兵セット

進撃路の交通管制や検問、
占領地の治安維持など第二次大戦を通してドイツ軍の秩序を守った野戦憲兵部隊。
検問中の将兵3体と軍用犬を連れてパトロール中の将兵2体。

【 軍装について 】
野戦憲兵の服装は一般将兵と同様で、
フィールドグレイの1936年型野戦服が幅広く着用されました。
肩章の縁など兵科色はオレンジです。
左腕に付けた憲兵徽章は兵卒と下士官がオレンジ、将校は銀色でした。
同じく左腕に巻いたアームバンドは茶色です。
また兵卒と下士官は憲兵を示すゴーゲットを胸に装着。
ゴーゲットは銀色のメタル製で左右のボタンや中央の鷲章は夜光塗料で塗られていました。

 

 

 

top (2)

「戦車兵の日常と、かわいい猫!」

1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.188
ドイツ戦車兵 砲弾搭載セット

第二次大戦中のドイツ戦車兵たちが、戦車へ砲弾を搭載するシーン。
木製の砲弾ケースから砲弾を取り出し、戦車上の兵士に渡す一連の動作をリアルに再現した人形4体をセット。
砲弾ケースもタイガーI、キングタイガー、パンサー、IV号戦車用の4種類を砲弾と共にモデル化。砲弾のケースの種類にまでこだわるとは…。

 

 

 

top (3)

「ノルマンディの標識がおしゃれ!」

1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.241
ドイツ軍用オートバイ 野戦伝令セット

第二次大戦中のドイツ軍用中型オートバイDKW NZ350と、
乗車して地図を広げる伝令、進路を指し示す野戦憲兵、
そしてフランス・ノルマンディー戦線の道路標識。

 

 

 

top (4)

「ごはんだ!!!」

1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.247
ドイツ 野戦炊事セット

第二次大戦中のドイツ軍によって広く使われた野戦炊事車。
調理材料や各種容器、非常食などが積み込まれたリンバーと、
後部に接続される大型シチュー鍋やコーヒー沸かしを備えたトレーラーによって構成される野戦炊事車のクラシカルなスタイル。
食事の配給を受ける兵士2名と調理兵2名。
牛乳缶や炊飯容器、パン、チーズ、りんごなどもあります。

 

 

 

top (5)

「凛々しい馬と、レトロな炊飯車!」

1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.103
ドイツ フィールドキッチン

第二次世界大戦中のドイツ軍で、
主に歩兵部隊など機械化されていない部隊への食事の供給に活躍した野戦炊飯車と馬。
ドイツ軍の野戦炊事はどことなくおしゃれですね…。

 

 

 

このように、
様々なミリタリーミニュチュアシリーズが出ています。
これらを組み合わせて情景を再現するの、とても楽しそうですね…。

なんでも既存のミニチュアを改造して、
自身の理想のポーズの兵士ミニチュアをつくる方も多いとか。

さて、
それではさっそく、
私も兵士ミニチュアの組み立てに挑戦することとしましょう!

 

2.兵士を組み立てよう

それではさっそく、
兵士の組み立てを開始しましょう!

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説明書はこんな感じ。

まずはランナーから必要なパーツを切り出していきます。
アルファベットがランナーを示し、
数字はどのパーツかを表しています。
これは今までどおりの作業ですね!

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パーツは、
右脚、左脚、胴体、右腕、左腕、首…、という感じで、
けっこうばらばらになっていますね。

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まずはこれらのパーツを、
ランナーから丁寧に切り離していきます!

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すごくニコニコしているおじさんがいるぞ!

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人物ごとにわけて、こんな感じ。

その後は例のごとく、紙ヤスリで処理していきます。

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そして接着!

角度に気をつけながらくっつけてくださいね。

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くっつきました!

つぎに、
パーツとパーツのつなぎ目に不自然な線やトゲトゲがでてしまっているので、
これをデザインナイフを立てて削ってゆきます。

よりリアルに人物を組み立てるために、
実際の人物に無い線は丁寧に消します。
別にこの作業はやらなくても大丈夫なのですが、
やるからこそ差の出る作業と言えますね!

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できました!!

とてもちいさいですが、
迫力のポージングと表情で、臨場感があります。

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それでは兵士への塗装の前に、
サーフェイサーを吹いていきますよ!

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サフを吹きやすくするため、
一時的に土台に固定したり…、

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竹串を刺したりして、
持ち手をつくります。

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吹き付けるサーフェイサーはグレー!
グレーのサフを吹くと、
塗料の食いつきがよくなるというのもありますが、
見えなかった傷や不要な筋などが見えるので、必ず吹きましょうね!

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しゅっしゅー

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ざっとサフを吹いたら、
今度は液体のサーフェイサーで隙間を埋めていきます!

やはり不自然な段差や隙間があるので、
それを均していきましょう。

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右のが液体のサーフェイサー!

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小皿に出して、
面相筆で塗っていきますよ!

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隙間を面相筆でなぞっていきます。

この時、
多めにつけすぎてしまうと元々のディテールが消えてしまうので、
すこしずつ塗り重ねていきましょうね!

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できました!!
シャーマン戦車本体と合わせてみました!

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おおお!!!

戦車兵、歩兵が居ることで、
グッと臨場感が増しますね!!!

さらに、
長谷川マスターが開催されている講座の…、→各種講座
生徒様が製作中だというジオラマを見せていただきました!!

恐れ多くも私のつくりかけのシャーマンを、
乗せさせていただきました…。

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雪景色!!

うっすらと雪が積もり、その上を重い戦車が走る。
雪解け水で濡れた赤茶色の土には、履帯の跡がついている…。

なんだか情感たっぷり!!!
私もぜったい、ジオラマ作りたいです!!

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情景を再現するために、
タミヤさんはこんなアイテムも製造されているんですよ!

情景テクスチャーペイント
土 ブラウン
粉雪 ホワイト
草 グリーン

こちらは粉雪ですが、
もっと積もった重い雪を再現するためのアイテムもあるようです!
すごいですね……。

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このほうれん草の和え物みたいなのは、
草を再現するためのアイテム!!

繊維が入っていて、
乾くとめちゃくちゃ草っぽくなるようです。
ジオラマ製作、たのしみだなー!!

 

という感じで、
兵士の組み立てとサフ吹きが終了!

今回は、
シャーマン本体にもサフを吹いて終了にしたいと思います!

 

3.戦車には赤色のサーフェイサーを!

それではシャーマン戦車にサーフェイサーを吹いていきます!

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じゃじゃん!

戦車に吹くのは、
いつものグレーのサーフェイサーではなく、
この赤いサーフェイサーなのです!

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「オキサイドレッド」という色です。

なぜいつものグレーではなく、
この「オキサイドレッド」を下地として吹き付けるのかというと、

実際の戦車が、
このような赤茶色の「錆止め」が塗られた上から塗装が行われているから。
できる限り実物に近づけよう!ということなんですね。

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しゅっしゅー

20cmくらい離して、
しゅっ…しゅっ…しゅっ…と、小出しにして吹いていきます。

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できました!

乾燥するとすこし茶色味が増します。

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かっこいい!!
そしてチョコレートのようでどことなく美味しそうなシャーマンになりました!

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今回はここまでできました!!
下地が完成、塗装の準備万端という感じですね!

4. 次回予告

次回シャーマン戦車、
いよいよ塗装に入れるでしょうか…!
わくわくが止まりません!!

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タミヤプラモデルファクトリー トレッサ横浜店には、
気兼ねなくエアブラシを使える塗装室や、
使い勝手のいいアトリエゾーンが完備されています。

専門的な工具セットのレンタルもありますし、ワークデスクで誰にも邪魔されず、
ショップゾーンで好みのキットを選んですぐに制作に取りかかれます。

さらに長谷川伸二マスターが、
さまざまな講座を開催されていますので…→各種講座

「プラモデル、やりたい…」
「戦車の話で盛り上がりたい…」
「プラモデル友達が欲しい…」

そんなあなたは、
ぜひタミヤプラモデルファクトリー トレッサ横浜店に足をはこんでみてはいかがでしょうか?

それではまた次回まで、乞うご期待です!

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ライター : 石井七歩

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1991年 東京生まれ。現代美術家。
オフィシャルウェブサイト→ nahoishii.com
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