2016年4月18日

【初めてのミニチュア兵士塗装編】偉大なる凡作、シャーマン戦車をつくるよ!(5)

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目次

1.微妙な違いのミリタリーカラーをご紹介!
2.まずは上半身をカーキドラブで…
3.面相筆のポイントは塗料をつけすぎないこと!
4.リアリティを呼び起こすウェザリング
5.ならべてみました!

こんにちは!

プラモデル初心者がプロモデラーに教わりながら、
本格的なプラモデル製作に挑戦する企画!
挑戦者の石井七歩が、タミヤプラモデルファクトリートレッサ横浜店からお送りいたします!

今回もプロモデラーの
長谷川マスターこと、長谷川伸二さんにご指導いただきます!

長谷川伸二マスターは、
タミヤプラモデルファクトリー トレッサ横浜店内にあるアトリエゾーンにて、
さまざまな講座を開催されています。→各種講座
プラモデル製作に行き詰っているそこのアナタは、
タミヤプラモデルファクトリートレッサ横浜店のアトリエゾーンで、
どんどん長谷川マスターに相談しましょう!

さて、
前回は車体の塗装と、ウェザリングを行いました!
【車体塗装〜ウェザリング編】偉大なる凡作、シャーマン戦車をつくるよ!(4)

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今回は、
ついにミニチュア兵士フィギュアを完成させます!

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ミニチュア兵士たちは現在、
サーフェイサーを吹き終えて灰色の状態……。
さて、さっそく始めますよ!!

1.微妙な違いのミリタリーカラーをご紹介!

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付属の兵士は全員で5人。
自動小銃手、小銃手A、小銃手B、ドライバー、コマンダー。
黒塗りの六角形の部分がタミヤカラーの色を示しています。

戦車の乗員2名と、
戦車と作戦行動を共にする兵士3名。

乗員2名はコマンダーとドライバー。
コマンダーは日本語で「車長」。
つまり戦車の指揮をする、戦車の乗員のボスみたいな存在です。

ドライバーは文字通り戦車の運転手です。
ちなみに運転手は、
第二次世界大戦当時から、現代戦車にいたるまで、
すごーく低い位置に乗っているんですね。
運転しにくそう。もっと見晴らしの良いところに乗ったらいいのに…。

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wikipedia項目:M1エイブラムスより引用》

 

さて。
ここに示される色は私たち初心者には聞き慣れない色ばかりなので、
今回使用した色をご紹介してゆこうと思います!

オリーブドラブ

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【XF-62】…オリーブドラブ
(今回は全員のヘルメットの色など。)

オリーブドラブは、
主に各国の軍用車両、軍用機、重火器などに用いられている色。
通常は黒と黄(または茶色と緑)の塗料を1:1で混合して作られるが、
生産国や生産時期によってこの比率に差がある。

調色が単純であるため、
第二次世界大戦からベトナム戦争時期まで、
アメリカ軍の戦闘服および車両の標準塗装色として使用されていた。
また、陸上自衛隊では現在も標準色として「OD色(オーデーしょく)」の名で使用されている。

カーキ

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【XF-49】…カーキ
(今回はインナーの色など。)

カーキとは本来「土埃」を意味する言葉。
通常の用法としては主に陸軍の軍装色を指す。

軍服としてのカーキ色は、
19世紀半ばにインドに駐留していた英国軍が、白い夏服の汚れを嫌ってインドの土を用いて服を染色し、それを現地語でカーキと称したのが始まりだと言われている。

英印軍時代のインド兵士↓

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wikipedia項目:カーキ色より引用》

「カーキ」という単語は現在も多くの国々で軍隊の代名詞として使用されており、英語で”Get into khaki”とは軍に入隊するという意味である。

カーキドラブ

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【XF-51】…カーキドラブ
(今回は自動小銃手の上着「M1943戦闘服」の色など)

ダークイエロー

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【XF-60】…ダークイエロー
(今回は小銃手Aの上着「マッキノコート」の色など)

アメリカ陸軍は、
1938年に「1926オフィサーオーバーコート」をベースに、
機械化部隊向けの着丈の短い「M1938マッキーノコート」を開発しました。

襟を立てて防寒でき、動きやすいデザインだそうです。

フラットアース

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【XF-52】…フラットアース
(今回は革手袋の色など)

バフ

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【XF-57】…バフ
(今回はレギンスの色など)

バフ(buff)とは本来、水牛の揉み皮のことで、
軍服などとして使われていたほか、金属研磨の仕上げなどにも使われた。

野鳥図鑑などにおいて、
野鳥の体色の表現に「バフ」がよくつかわれている。かわいい。

440px-Buff_Orpington
wikipedia項目:バフ(色)より引用》

フラットブラウン

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【XF-10】…フラットブラウン
(今回はコンバットブーツ、サービスシューズの色など)

デザートイエロー

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【XF-59】…デザートイエロー
(今回はポシェットの色など)

レッドブラウン

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【XF-64】…レッドブラウン
(今回は銃の色など)

ミディアムブルー

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【XF-18】…ミディアムブルー
(今回はアイマスクの色など)

フラットフレッシュ

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【XF-15】…フラットフレッシュ
(肌の色など)

 

小さい人形ですが、こんなにたくさんの色を使うんですね!
塗り分けられるか緊張してきました…。

 

2.まずは上半身をカーキトラブで…

まずはカーキドラブで「小銃手B」以外をざっくりと塗装。

ここでも相変わらず、べったり吹き付けすぎないように!
ミニチュアフィギュアは特にディテールが繊細なので、
繊細な服のシワなどが消えないように、何回かに分けて薄く塗り重ねてゆきます。

 

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様々な角度から……。

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できました!
下半身は別の色を塗るので、上半身を中心に塗装しました。

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ヘルメットはオリーブトラブで塗装しておきます。
竹串の先にマスキングテープを巻いてくっつけて塗装すると楽です!

さて、
ここからは筆を使って手で塗っていきますよ!

 

3.面相筆のポイントは塗料をつけすぎないこと!

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こちらが今回使用したTAMIYAの面相筆。
めちゃめちゃ細いです!
極細ながらもコシがあって使いやすく、本当にいい筆だな〜と思います。

TAMIYAからは面相筆が豊富な種類の太さで発売されているので、
ぜひチェックしてくださいね。

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使用するタミヤカラーは、
底のほうに塗料が沈殿していることがあるので、
混ぜる際には調色スティックや竹串でよーくかきまぜて使います。

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パレットに出します。
よく考えたらこんなに使わないのに、出しすぎましたね…。
少量ずつ塗ってゆくのに、ほんとにちょっとで足ります。

 

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いい感じ……。

細くて手がふるえます。
わきをしめると筆先がふるえにくくなりますよ。

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他の色との境界の部分はとくに気を遣いますが、
失敗してもまたやりなおせばいいので、気にせずサッと線を引いていきましょう。

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上着とズボンの境界線は悩みどころですが、
こんなもんかな?という部分で決めましょう。
見えない部分なので…。

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このコマンダー、
説明書上だと上下ともダークイエローなのですが、
思いっきり間違えて他のキャラクターと同じ色にしてしまいました…。
(まぁこれでもいいかと思っています…。)

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塗装の基本は
薄い色→濃い色なので、
レギンスの色「バフ」を塗っていきます。

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いい色です。

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この裏側や内側が本当に塗りにくいです!
頑張りどころですね。

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脱げにくく、そして土が入りにくくするため、
靴の下にベルトがまわっています。

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お次はフラットブラウン。
ブーツを塗装してゆきます。

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けっこうムラになってしまいそうで難しかったです。

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次はデザートイエローでポシェットを塗ってゆきます。

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こ、こまかい…。

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そして首元のインナーのカーキ色です。

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顔のフラットフレッシュを塗って、
これでひととおり完成です。

ごめんなさい、顔の塗装は、集中しすぎて写真を撮り忘れました!!!

長谷川マスター曰く、
フラットフレッシュだけだと「健康な兵士の顔色」になってしまうので、
すこし「戦い疲れた感」を演出するため、
デザートイエローを混色すると良いとのこと。

つづきましては、
顔に「スミ」を入れて陰影を演出してゆきます。

 

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こちらのスミ入れ塗料(ダークブラウン)は、
シャバシャバしたエナメル塗料です。
フタに付属している筆でエッジをちょんと叩くと、
薄まっているエナメル塗料がフチに沿って走っていきます。

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ちょん…ちょん…とこんな感じ。
右と左では違いが明らかですね。
一気に彫りの深い西洋人の風貌になりました。

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はみ出た部分はエナメル溶剤を含ませた綿棒で拭き取ります。

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小銃手Aの彼はこんな感じの顔になりました。

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ヘルメットをかぶせます。

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こちらは、
なぜか笑っているドライバーのおじさん……。

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かなり笑ってますね……。

 

 

4.リアリティを呼び起こすウェザリング

さて、
彼らミニチュア兵士にもリアリティを宿すため、
戦車同様、ウェザリングを施します。

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白すぎず明るい色が好ましいので、
こちらのバフカラーを使用します。

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筆先にとったらティッシュオフします。

ほんの少量だけ含んでいれば良い味を出せるので、
べったりつきすぎるのを避けるために念入りにオフしましょう。

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ざっくりと表面をなぞっていくと、
服の凹凸が際立ってきます。

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……できました!

みてください、
リアリティを呼び起こすことに成功しているでしょうか?

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どうでしょう…。

私のはじめてのミニチュア兵士塗装、何点ですか?

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5.ならべてみました!

さて、
長谷川マスターがスチロールで簡易土台を作ってくださったので…、

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ちょっとジオラマ風に、並べてみましょう!

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ちなみにこのジオラマは、
スチロールの表面に「情景テクスチャーペイント 土 ブラウン」をざっくり塗っています。
本当にリアルです。

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シャーマンと、戦車兵たち!!!

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真ん中がジェームズ(命名)

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前方を確認するコマンダー。

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なぜかめっちゃ笑顔のドライバー。
狂気を感じますが、同時にストーリー性をも感じて良いですね……,。

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……ということで、
今回はここまでです!

 

 

5. 次回予告

さて、
これからジオラマ製作に入りたいと思います!
私自身もずっと楽しみにしている回なので、ぜひご覧くださいね。

 

 

タミヤプラモデルファクトリー トレッサ横浜店には、
気兼ねなくエアブラシを使える塗装室や、
使い勝手のいいアトリエゾーンが完備されています。

専門的な工具セットのレンタルもありますし、ワークデスクで誰にも邪魔されず、
ショップゾーンで好みのキットを選んですぐに制作に取りかかれます。

さらに長谷川伸二マスターが、
さまざまな講座を開催されていますので…→各種講座

プラモデルにご興味をお持ちの方は、
ぜひタミヤプラモデルファクトリー トレッサ横浜店に足をはこんでみてはいかがでしょうか?

それではまた次回まで、乞うご期待です!
【基礎知識編】偉大なる凡作、シャーマン戦車をつくるよ!
【キャタピラー編】偉大なる凡作、シャーマン戦車をつくるよ!
【ミニチュア兵士編】偉大なる凡作、シャーマン戦車をつくるよ!
【車体塗装〜ウェザリング編】偉大なる凡作、シャーマン戦車をつくるよ!

ライター : 石井七歩

nahoishii

1991年 東京生まれ。現代美術家。
オフィシャルウェブサイト→ nahoishii.com
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