2016年6月21日

【RCカー/トヨタ86】ポリカーボネートボディの完璧な塗装を目指そう(1)【スプレー缶編】

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目次

1.たのしい色選び!
2.ボディの切り出し
3.堅城鉄壁のマスキング
4.アクセントのホワイトライン
5.いよいよボディーのピンクを塗装!
6.次回予告

 

プラモデル初心者がプロモデラーに教わりながら、
本格的なプラモデル製作に挑戦する企画。
今回もタミヤプラモデルファクトリー トレッサ横浜店からお送りいたします!

いつもご指導してくださるのは、
プロモデラーの長谷川マスターこと、長谷川伸二さん!

長谷川伸二マスターは、
タミヤプラモデルファクトリー トレッサ横浜店内にあるアトリエゾーンにて、
さまざまな講座を開催されています。→各種講座
プラモデル製作に行き詰っているそこのアナタは、
タミヤプラモデルファクトリートレッサ横浜店のアトリエゾーンで、
どんどん長谷川マスターに相談しましょう!

 

さて、
これまではゼロ戦シャーマンなどのミリタリーモノをつくって参りましたが…、
今回はRCカー (ラジオコントロールカー=ラジコン) のポリカーボネートボディに挑戦です!

製作するのは…..じゃじゃん!
トヨタ 86です!!!

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【 話題のFRスポーツカーの走りをRCカーで体感 】

FRライトウェイトスポーツカーとして2012年4月に登場、話題を集めているトヨタ86が早くも電動RCカーで登場です。コンパクトに仕上げられた低いフォルムをポリカーボネートで実感たっぷりにモデル化。低いボンネット、滑らかに盛り上がるフロントフェンダー、エッジを立てたリヤフェンダー、後部のディフューザー形状など、トヨタ86の特徴をあますことなく再現。

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ヘッドライトはステッカーに加えて、ライトケースをポリカーボネートで再現。
表情をいっそう引き締めます。


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リヤもポリカーボネート製ライトケースを用意。
内部のブレーキランプやウインカーはステッカーで表現。

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バンパー下のディフューザーやマフラーも立体感ある仕上がり。

 

かっこいいですね。キラキラしてますね。
ところで「ポリカーボネート」という言葉、初めて聞いたのでちょっと調べました。

 

ポリカーボネート: polycarbonate)は、熱可塑性プラスチックの一種。

【利点】
透明性・耐衝撃性・耐熱性・難燃性・寸安定性などにおいて、高い物性を示す。
プラスチックの中でも平均して高い物性を示す樹脂であり、かつ透明性をもつために光学用途にも使用でき、その物性に比べて安価であり、航空機・自動車など輸送機器、電気・電子光学・医療機器、防弾ガラスの材料などに広く用いられている。

【欠点】
薬品耐久性はあまりよいとは言えない。
特にアルカリ剤、溶剤では劣化する。接着剤などの使用ができない。
エステル結合を持つため、高温高湿度の環境下では加水分解する。
引張強度を超える力をかけると、白化して透明度が著しく低下する。

 

むずかしげな言葉で書いてありますが、
要するに、
衝撃に強く透明度が高く、熱にも強いし価格も安い。
でも接着剤が使えなくて、高温高湿に弱く、あんまりねじまげると白くなっちゃう、
そんな便利なプラスチック素材のことですね。

 

1.たのしい色選び!

 

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じゃん!
こちらがそのポリカーボネート製のハチロクのボディです。

表面にうすーく保護用のシートが貼ってあるのですが、
これは貼りっぱなしにしたまま作業をすすめます。

まずはポリカーボネート用のスプレー塗料の色を選びましょう!

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長谷川マスターにかわいいピンクをおすすめされている気がする……。

タミヤプラモデルファクトリー トレッサ横浜店は、
めちゃめちゃ品揃え豊富なショップゾーンを誇っています。
みなさまもここで誰にも邪魔されずゆっくり悩みましょう…。

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メタリックなブルーもかっこいいなあ。
見本はメタリックなオレンジなんですよね。

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ということで!

ボディはこの…、

■ ITEM 86033  PS33 チェリーレッド

そしてセンターに2本のラインを…、

■ ITEM 86001  PS1 ホワイト

今回はこんな感じの配色にしてみました!
ホントはですね、私が操縦するんだったら、サーキットで周囲を威圧するメタリックなパープルにゴールドのドラゴンを塗装してでギラギラ強そうな感じがいいなぁと思ったのですが、今回は、ちゃーんと可愛く媚びてピンクにしましたよ!
そのほうが記事映えしますからね!わかってますって。

塗料は何種類かあるので、
きちんとポリカーボネート用のものを選ぶようお気をつけくださいね。

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左がFOR POLYCARBONATE
1缶で1/8~1/12サイズのRCカーのボディを塗装できる、ポリカーボネート用のスプレーカラーです。衝撃を受けてもはがれにくく、模型用エンジン燃料に侵されることがないのもポイントです。

右は通常のタミヤカラースプレーですね。
独特のノズル形状により塗装ムラやタレが起きにくい、手ごろなサイズのスプレーカラーです。つやあり・つや消し・半つや消しなど、多彩なカラーが揃っています。

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こちら右はエアーモデルスプレーといって、微妙な色調が多い飛行機モデルの塗装に特化した、ラッカー系のスプレーカラーです。
色調の正確さ以上にスケール感を重視し、塗装した状態で最も実機らしく見えるトーンで調合されている優れものです。

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PS〜はポリカーボネート用
AS〜はエアモデルスプレー

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TS〜はタミヤカラーですね。
同じ白でも色々な白があります。

それではさっそく作業にとりかかりましょう。

 

2.ボディの切り出し

 

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こんな感じになっているポリカーボネートから、
ハチロクのボディを切り出していきましょう。

 

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先っちょが曲がっている、タミヤの「曲線バサミ」が便利です。
ちょっと面倒なRCカーのポリカーボネートボディの切り抜きも手軽にできます。
カーブを持つ刃先は、細かな曲線もスムーズに切れ、根元の部分で直線切りもOK。
プラバンなどプラスチック素材の加工にも使え、RCファン、模型、工作ファンにも欠かせません。
ひとつ持ってると何かと便利かも。

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これ!
切る線を間違えちゃうと取り返しがつかないので気を付けましょう!
プラモデルと違ってやり直しはききません…。

 

タイヤの丸い部分は、
中心に切り込みを入れると切りやすいです。

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こんな感じで少しずつブロックにわけて…。

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前方も。
意外とこのへんが最も切るの難しいです。慎重に慎重に。

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さて、
ひととおり切り出したらこちらのヤスリで仕上げていきましょう!
今回はP180番を使用しました。

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触ってつるつるになってるか確認しながら…。

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オッケーですね。これでボディーの切り出しは完了です。
次の工程は、命のマスキングですよ!

 

3.堅城鉄壁のマスキング

 

RomaCastelSantAngelo-2

Castel_santangelo_Tevere

堅城鉄壁…
それは堅固にできていて、容易に攻め落とすことのできない城の意味。
塗料が変なとこにくっつかないように
堅城鉄壁のマスキングを目指すぞ!

ちなみに画像は私の大好きなサンタンジェロ城です。
ローマにある城塞なのですが、以前行ったことがあって、かっこよかったです….。
ちょうどバチカン市国のサン・ピエトロ寺院の直線上にあるんですよね。

 

さて、話が脱線してしまいましたが、
まずは説明書を見て、
マスキングが必要な部分を確認しましょう。

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こんな感じで、
マスキングシートが付属しているので、ハサミで切り出します。

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そしてちょうどぴったりのサイズになっているので
これは助かりますね…。

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表から見るとこんな感じ。

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ぺりぺりと剥がして……。

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端から、ずれないように慎重に貼っていきます。

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しっかり押さえます。

特に塗料が入り込みやすいのは外周の隙間からなので、
マスキングの周りはしっかり押さえましょう!

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まずはサイズを確認して…..、

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大きすぎるマスキングは貼るのが困難なので、
真っ二つに切ってしまいましょう。

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外周のしっかり度を優先して貼っていったので、
真ん中に隙間が空きました。

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これは通常のマスキングテープで埋めていきましょう……。

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デザインカッターで切って、完璧。

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ライトの部分は立体的なマスキングなので難易度ちょっと高め。

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ふたつ組み合わせて立体的にカバーします。

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いい感じですね。

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こちらもふたつ組み合わせてカバー。

全部のマスキングを貼り終えたら、
しっかり全体を確認しておきましょう。

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OKです。

 

それではいよいよ
ホワイトの2重ラインの塗装準備にとりかかりましょう!

まずは細めのマスキングテープで中心線のアタリをとります。

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ちゃんと中心を通ってますね。

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こちらも中心を通ってます。

ひっくり返して、
いま取った細いマスキングテープのアタリに沿って、
内側からマスキングテープを貼っていきます。

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そしてさらにその外にマスキングテープを貼ることで、
2重ラインの塗り部分をつくれるというわけですね。

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こんな感じ!
ボディのちょうど中心に、パーフェクトな2重ラインのマスキングができました。

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そうそう。
もちろん最後に中心線もマスキングすることをお忘れなく…。

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どうでしょう!
だいたい、だいたい真ん中らへんになってます!

つぎはこのラインを残して、
他の部分を全面的にマスキングしていきますよ。

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勿体ないと言わず、ベッタベタに貼りましょう。

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とにかく隙間をつくらないようにすること!

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今回は使いませんでしたが、
広い面をマスキングするためのシートタイプのグッズもあります!

 

それでは全面貼り終えたところで、
堅城鉄壁のために!ガシガシこすって隙間をなくしていきましょう。
竹串をつかってガシガシいきます。
竹串、何かと便利アイテムとしてよく登場しますね…。

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こういう隙間から塗料が入りやすいようです。

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マスキング、できました!
ベッタベタです。

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それではこのマスキングを信じて…..、
いよいよスプレー缶での塗装に突入しましょう!

 

4.アクセントのホワイトライン

 

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はい!
こちら、タミヤプラモデルファクトリー トレッサ横浜店の塗装ブースです!

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宙に舞う塗料の粒子を吸い込んでくれるこんなマシンが完備されているので便利です!お家で塗装すると予想外の所へ塗料の粒子がふわふわ飛んでいっちゃって大変なので、これを機にアトリエゾーンの活用もご検討してみてくださいね!

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まずは長谷川マスターから、
スプレーの使い方のレクチャー。

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近づけすぎると厚塗りになって美しくないし、垂れてくる。

下のように20cmほど離して、
シューッシューッと一方向に吹き付けるとムラなく綺麗です。

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では!

さっそくポリカーボネート用のタミヤカラーを吹き付けていきましょう!
ホワイトです!

 

 

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いっぺんに塗ろうとせず、
何回にも分けて吹きつけます…..。

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まだまだ薄いですね。

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ここで一旦、
時間短縮のためにドライヤーで乾かしてからまた塗っていきます。

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また乾かして……、
また塗ります。

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あっ、
これ絶対はみでてますね。
堅城鉄壁とか言っていたのにうっかりですね….。

ホワイトの後にピンクを塗ってしまうと、
薄い色であるホワイトに、ピンクが透けてしまいます。
なのでホワイトの上に透明度の低い色を一度吹き付けるのがプロの一手間。
ベストなのはこの、シルバーです!

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それでは先ほどと同様に、
焦らずゆっくり、吹き付けていきましょう。

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どうなんですかね….。
剝がすまで全然わからないですけど、信じましょう…..。

出来栄えはこんな感じです。

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さあいよいよ、
あれほど手間をかけて全面に貼ったマスキングを剥がします!

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ちなみに、
まだ剥がしちゃいけないマスキングもあることをお忘れなく。
ボディ塗装に必要なマスキングは残したままで、2重ラインのためのマスキングのみを剥がします!

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こういうとこ、
まだ必要なので気を付けましょう!

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さて、
いよいよライン周りのマスキングを剥がします。

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綺麗に塗れている感じがしますね….。

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エッジを綺麗にするために、
軽い力で、デザインカッターの線を入れておきます。

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仕上げを左右する一手間です。

それではいよいよ剥がしていきます!

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綺麗に出来ているっぽい!!!

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あっ、めっちゃはみ出てますね。

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めっちゃはみ出てますねw

大丈夫。すぐに修正しましょう。
プレペイントクリーナー(ポリカーボネート用)を使用して、
はみ出た部分を修正していきます。

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はみ出た部分を、
綿棒に染み込ませたプレペイントクリーナーでこすります。

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細かいところは竹串などで引っ掻いて落とせます。

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少し力を入れてこすれば綺麗に落とせますよ。
理想は塗装後すぐに落としてしまうのがベストですね。

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光に透かしてちゃんと確認していきましょう…..。

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OK!
だいたい完璧です!

 

5.いよいよボディーのピンクを塗装!

 

 

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さあ、
いよいよ本番色の塗装ですよー!
こうやって持ち手を作ると塗りやすい。マスターの知恵です。

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さあ、開始です!!!

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角度を変えながらゆっくりムラなくを目指して塗っていきます。

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さあ、できたかな….?
缶スプレーがくっついているのでかなり変な感じですが….。

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うん、キレイです。

こちらも先ほどと同様、
透け感をなくすため、シルバーを塗装していきます。

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さあどうでしょうか……..。

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綺麗な色ですね!!!!
写真で見るより実物の方がもっともっと綺麗ですよ。

缶スプレーでもこんなにムラなく綺麗な発色で濡れるとは驚きです。

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裏はこんなふうになっています。
厚塗りになりすぎてもRCカーのスピードに影響してきそうなので、
ざっとシルバーを吹き付けています。

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こちらもマスキングを剥がしていきましょう。

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フロントガラス、綺麗です。

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特に問題なくマスキング出来ていました!
ライトの周辺は後からシールを貼ってしまうので、
そんなに神経質になりすぎなくて大丈夫です。

最後に表面の保護用の皮膜を剥がしていきます!

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この作業が意外と楽しいですね….。

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さて、
ピカピカのボディーの誕生です!

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新車ですね、新車!
ここからどうやって仕上げていくか、楽しみです!

 

6.次回予告

 

 

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長谷川マスターと記念撮影。
長谷川マスターはウエスタンファッションが最も似合うプロモデラーです。
私もウエスタンハットを借りました。

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さて、
次回はトヨタ86、
ボディにシールを貼ったり、デザインしたりで、
オリジナリティを出す仕上げに取り掛かります!

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缶スプレーだけでここまでかっこいい仕上げが可能なんだ!
というのをお見せしたいので、
はりきって製作してゆきたいと思います!!

 

タミヤプラモデルファクトリー トレッサ横浜店には、
気兼ねなくエアブラシを使える塗装室や、
使い勝手のいいアトリエゾーンが完備されています。

専門的な工具セットのレンタルもありますし、ワークデスクで誰にも邪魔されず、
ショップゾーンで好みのキットを選んですぐに制作に取りかかれます。

さらに長谷川伸二マスターが、
さまざまな講座を開催されていますので…→各種講座

今回の記事を読み、
缶スプレーで思いっきり塗装することにご興味をお持ちの方は、
ぜひタミヤプラモデルファクトリー トレッサ横浜店に足をはこんでみてはいかがでしょうか?

それではまた次回まで、乞うご期待です!

 

 

ライター : 石井七歩

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1991年 東京生まれ。現代美術家。
オフィシャルウェブサイト→ nahoishii.com
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