エアブラシでポリカーボネート用塗料を吹く時の糸対策には高圧・大口径がおすすめ

みなさんこんにちは!店長の本間です。
さて今回は、ポリカ塗料はエアブラシで吹けるのかどうか?についてです。
普通ポリカーボネート素材は缶スプレーで塗装をしますが、
缶スプレーとは違い、色を混ぜたり微妙なグラデーションを付けられるエアブラシで塗装をしてみたいという声は多く、
お店でもよくきかれるのですが、僕は「吹けないことはないけど、すごく大変です」と答えてきました。
何が大変かというと、ポリカ塗料はその性質からエアブラシで吹くとクモの巣のような「糸」が出てきてしまうのです。
紙コップに移したポリカ塗料を普通にエアブラシで吹いてみました。
(エアブラシ口径は0.3mm、エアー圧は0.1Mpaです。)
周りに付いている、これが「糸」です。
このまま塗っていくと糸の部分だけ色が濃くなってしまうので、きれいなグラデーションになりません。
糸ごと塗りつぶしてしまえば問題ないですが、それではエアブラシで吹く意味がなくなってしまいます。
少し吹いてこの糸が付いてきたら乾かして除去してまた吹く・・・ということを繰り返せば、単純にキレイにできますが、非常にめんどうで時間もかかってしまいます。
逆に言えばこの糸が出ないようにできれば、問題なく吹けるわけです。
なぜ糸が出るのか?
さきほど「塗料の性質」と書きましたが、エナメル塗料でも濃すぎると糸が出る時があります。
エナメル塗料は薄めれば問題ないのですが、ポリカ塗料は薄めても薄めても同じやり方では結局糸が出てしまいます。
これはポリカ塗料に含まれるビニール成分が糸の発生の原因になっていると思われます。
塗り方を変えてみる
上の写真では直接塗っている所よりも少し離れたところに糸が出来ているのがわかると思います。
つまり、離れたところから吹けば吹くほど、糸が付着しやすいのではないか?と仮説を立ててみました。
なので今度はより近くから吹いて、エアーも遠くまで飛ばないようにコンプレッサーの圧力を下げてやってみます。
0.06Mpaぐらいで吹いてみました。さっきよりは少し抑えられていますが、まだ普通に糸がでます。
この仮説はどうやら違っているようでした。
今度は、缶スプレーでできない糸がエアブラシで吹くとできてしまうのは、
エアブラシ特有の少量の塗料が膜になり切れず糸になってしまうのではないか?
という仮説をたて、逆に圧力を上げて一気に塗料を吹き付けてみることにしました。
すると今度は糸が出ません!(*’▽’)
0.2Mpaでまだかすかに出ましたが、0.25Mpaまで上げると糸は全く出なくなりました。
これで、ある程度の量を一気に吹き付けることで糸は出ないということがわかりました。
しかし、この圧力で吹くとけっこうな勢いで塗料が出るためエアブラシを速く動かさなければならず、微妙なグラデーションが少し難しい。
そこで今度はエアブラシの口径を0.5mmにして吹いてみました。
口径0.5mmの場合、0.15Mpa程度まで上げれば糸が出ないことがわかりました。
0.3mm×0.25Mpaの時に比べゆっくり動かせ、塗りやすくなりました。
まとめ
今回色々試してみた結果、ポリカ塗料はやり方さえわかればエアブラシで吹ける!と
これからはお客さんにそう答えられるようになりました。
ポリカーボネート塗料をエアブラシで吹くときは、高圧・もしくは大口径エアブラシで!
圧力を上げられるタミヤパワーコンプレッサーなどを使用してやってみてくださいね。
お店の塗装室でも高圧で塗れるコンプレッサーをお貸し出ししています。
ぜひいらしてくださいね☆

本間店長

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